学習ガイド
面積の教え方 ― マス目を数える体験と公式をつなぐ
方眼のプリントで、面積の求め方は「マス目を1つずつ数える」ところから始まります。数えて答えを出していたお子さんが、あるとき「たて4×よこ6」という式だけで答えを書くようになります。マス目を指でなぞる様子が見えなくなると、それだけで単元が進んだように感じてしまいます。ただ、式の意味を聞くと答えられないことがあります。
学習指導要領の解説には「単位となる正方形を敷き詰めるのではなく計算によって面積を求める方法について考えることができるようにすることが大切である」と書かれています。マス目を数える体験を先に置くのは遠回りではなく、式の意味を支える土台です。それを知ってから、私はプリントを長方形・正方形の面積、組み合わせた形、単位の言いかえの順に並べました。
つまずきの原因:マス目を数える体験と式がつながっていない
原因1:公式が「なぜその式になるか」を素通りする
正方形や長方形の面積は、たて×よこという式で求まります。この式がどこから来るかというと、マス目の並び方そのものです。文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編には「正方形や長方形では,辺にそって単位正方形が規則正しく並んでいるので,乗法を用いると,その個数を手際よく求めることができる」とあります(第4学年 C 測定)。たとえば、よこに5マス並ぶ列が、たてに7段くり返されるとき、いちいち数えなくても5×7で全部の数が分かります。よこに並ぶマスの数が、たてに並ぶ段の数だけくり返されるので、かけ算で求められるということです。ここを飛ばして式だけ覚えると、L字型や階段型のような組み合わせた形が出たときに手が止まります。組み合わせた形は「どこで区切ると、知っている長方形になるか」を自分で見つける問題です。区切り方の見当がつかないと、最初の1本目の線すら引けません。
原因2:面積とまわりの長さを混同する
たてとよこの長さを見て、かけるべきところを足してしまう誤りが定番です。面積は「中の広さ」、まわりの長さは「外側の一周」で、聞かれているものが違います。
原因3:単位の言いかえでケタを間違える
cm²をm²に直すとき、1m²を100cm²と考えて100倍する誤りが多く出ます。正しくは10000倍です。答えのけた数が2けた分ずれていたら、この取り違えです。
家庭での教え方
手順1:組み合わせた形を「分けて」数えさせる
L字型や階段型の面積は、長方形2つに分けてから、それぞれをたて×よこで求め、最後に足します。分け方は1通りではありません。「別の分け方でも同じ答えになるか」を試すと、公式の意味が体に入ります。
手順2:cm²とm²の関係を「マス目」で見せる
1m×1mの正方形を、1cm×1cmのマス目で見ると、たてに100個、よこに100個並びます。100×100で10000個。だから1m²は10000cm²です。「100倍」ではなく「たてとよこ、両方が100倍になる」と考えると、面積特有のケタの飛び方に納得できます。
手順3:単位はいきなり増やさない
面積の単位はcm²、m²、a、ha、km²と種類が多く、解説も「単位間の関係に注意しながら単位の大きさを柔軟に選択し」と述べています(第4学年 C 測定)。学校で習った単位が2つ増えたら、そこで一度立ち止まってください。前の単位との関係を確認してから次に進むほうが、まとめて詰め込むより残ります。単位を選べるようになること自体が目標だと知りました。プリントもcm²・m²・aの言いかえと、ha・km²までの言いかえを別のステップに分けています。
避けたいこと
公式を忘れたときに、暗記のやり直しだけをさせるのは避けたいところです。もう一度マス目を数える作業に戻れば、式はそこから思い出せます。
練習の進め方
長方形と正方形の面積から始まり、辺の長さやまわりの長さを求める問題、L字型・T字型・階段型などの組み合わせた形へと進みます。続いて、cm²・m²・aの言いかえ、ha・km²までの大きな単位、求積してから単位を言いかえる問題まで扱います。面積の単元はこの並びで一続きになっているので、途中でつまずいたら、その一歩手前の形に戻って確認してください。
よくある質問
Q. マス目を数える練習は、公式を覚えたらもう不要ですか?
A. 見慣れない形が出たときに戻れる場所として残しておくと安心です。組み合わせた形でどう分けるか迷ったら、マス目を数える発想に戻ると解けることがあります。
Q. 単位の変換だけを繰り返し練習させたほうが早くないですか?
A. ケタ数をあてずっぽうで選ぶ練習になりがちです。1m²が何cm²かを、マス目を思い浮かべて自分で説明できるかを先に確認するほうが、あとの単位でも崩れません。
Q. 組み合わせた形の分け方が、模範解答と違う分け方になりました。直すべきですか?
A. 答えの数値が合っていて、分けた図形がそれぞれ長方形や正方形になっているなら、分け方が違っていても直す必要はありません。同じ広さに複数の求め方があると気づくことのほうが、決まった手順をなぞるより理解が深まります。
面積は、数える作業と計算する作業が地続きの単元です。式だけを急がせず、マス目に戻れる時間を残しておくと、単元全体がつながって見えてきます。
この記事は、diglabo を作っている親が書いています。教育の専門家ではありません。教え方の一般的な部分は、日本の教科書や学習指導要領で確かめたうえで書いています。
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