あまりのあるわり算のつまずき ― 「あまりが大きすぎる」まちがいの直し方

「17÷5=2あまり7」。3年生の答案でよく見るまちがいです。

私は最初、これは計算ミスの一種だと思っていました。実際は違って、計算は合っているのです。5×2=10、17-10=7。抜けているのは計算力ではなく、ルールが1つです。

つまずきの3パターン

パターン1:あまりがわる数より大きい(17÷5=2あまり7)

最も多いまちがいです。抜けているのは「あまりはわる数より小さくなければいけない」という決まりです。

これは感覚の話ではなく、文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編にはっきり書かれている内容です。第3学年のわり算について、「そのときの余りの大きさは除数よりも小さくならなければならないことなどについて理解できるようにする」とあります。

「17個を5個ずつ分ける」場面を思い浮かべれば、「まだ5個ずつ配れる」ことに気づけるはずの誤りでもあります。計算手順だけで解いていて、場面を想像していないサインです。

パターン2:九九の「すぐ下」が見つけられない

「38÷6」なら「6×6=36」を見つける必要があります。九九を上から順に唱えないと出てこない子は、ここで時間がかかり、テストで最後まで終わりません。これはわり算の問題ではなく、九九の逆引き(「6の段で38に一番近くて超えないのは?」)の練習不足です。

パターン3:文章題であまりをどう扱うかで迷う

「30人が4人がけの長いすに座る。長いすは何脚いる?」答えは7あまり2から「8脚」。「あまった2人にも座る場所がいる」から切り上げます。一方「30cmのテープから4cmのテープは何本取れる?」は7本で、あまりは捨てます。同じ「7あまり2」でも、場面によって答えが変わる。ここは計算力ではなく読解の問題です。

家庭での教え方

手順1:「検算の式」をセットで書く癖をつける

「17÷5=3あまり2」を書いたら、「5×3+2=17」で確かめる。この検算をセットにすると、パターン1のまちがい(あまりが大きすぎる)は自分で発見できるようになります。ただし「あまり7」でも5×2+7=17で式は合ってしまうので、「あまりはわる数より小さい」の確認も口に出すのがポイントです。

手順2:九九の逆引きを2人でゲームにする

「6の段で40を超えない一番大きい九九は?」「6×6=36!」。慣れたら「40÷6のわられる数だけ」を次々に出します。1日5問で十分です。

手順3:文章題は「あまりはどうする?」だけを問う

計算済みの式を見せて「7あまり2。で、長いすは何脚?」とあまりの解釈だけを聞きます。計算と解釈を分けて練習すると、どちらでつまずいているかがはっきりします。

練習の進め方

  1. わり算そのものが不安定なら、まずわり算(あまりなし)で「九九の逆」としてのわり算を固めます
  2. あまりのあるわり算には、計算だけの段階から文章題まで段階順にプリントが並んでいます。まちがえた型のプリントを別バリアントで繰り返してください
  3. 九九の逆引きが遅い場合は、2年生の九九(6から9・1のだん)に一度戻る方が早く進みます

よくある質問

Q. 「あまり」の記号(…)の書き方が学校と違うようです

A. 「17÷5=3あまり2」「17÷5=3…2」など、表記は教科書や先生によって違います。家庭では学校の書き方に合わせてください。表記のゆれで丸バツが変わるのは本質ではありませんが、子どもは混乱します。

Q. 4年生の筆算のわり算にどうつながりますか?

A. わり算(÷1けた)の筆算は「たてる→かける→ひく→おろす」の繰り返しで、「たてる」の部分があまりのあるわり算そのものです。3年生のうちに「38÷6」型が5秒以内に出るようになっていると、筆算の習得が一気に楽になります。


このつまずきは、直すのに時間がかからない部類です。ルールが1つ抜けているだけなので、気づけばその日から変わります。


この記事は、diglabo を作っている親が書いています。教育の専門家ではありません。教え方の一般的な部分は、日本の教科書や学習指導要領で確かめたうえで書いています。

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